~定型のパニック、発達のパニック②~
前回、新人ホテル従業員の真っ青になった経緯をお話ししました。
前回の記事
~定型のパニック、発達のパニック①~ - 凸凹ちゃんす ~ 発達障害10年目の覚悟!~
〈一度にいろいろ言われてパニックになる〉
皆さん、居酒屋の風景を思い出してください。最初に頼む飲み物はなんでしょう?
「とりあえず生」ですよね。お酒やぞの飲み方、食べ物が多様化しているとはいえ、やはり横綱は生ビールです。ところが、どこにでもあるはずの生ビールがない。お客様からすればありえない事態です。
青ざめていた彼に話を戻しますが、青ざめてばかりもいられません。時刻は午後6時、これから夕食の時間帯に向けドンドン忙しくなってくるころです。
彼が厨房に来たのは、コース料理のスープとパンを取りにきたため。
自分のお客様を待たせてはいけない、生ビールがない、他のお客様もお待たせしている、スタッフからは詰め寄られる……。
解決できない上記にパニックになってしまいました。
見かねたマネージャーは、「生ビールを切らしていることを全スタッフへ伝達しておく、代わりに新入荷の瓶ビールをおすすめして」とその場のスタッフに声掛けします。
そして彼には「今お前がもっているお客様は別のスタッフを配置する。車で酒屋へ急げ、生樽19リットルを5本買ってこい!」
おかげでお客様からの苦情もなく、その晩はなんとか事なきを得ました。全ての業務が落ち着いた午後9時頃、マネージャーへ謝罪を伝えました。
「今日は夏日だったもんな。明日から在庫に余裕を持たせて調整しよう」それだけ告げられ、帰路につきました。
帰り道は悔しさで頭の中がいっぱいでした。厨房でパニックになっている姿を客観的にみて、どうしようもない情けなさを覚えたのです。
彼のような経験をされた方は少なくないはず。今回のお話しは同じようにパニックを経験した方にぜひ読んでもらいたいのです。
定型の高度な?パニックでしたが、予期せぬこと、普段と違うことでパニックになるのは、定型も発達もおんなじなんですね。
次回はパニックになる根本的な理由について、書きたいと思います。
つづく