~ 彼女の一日 ~
高校時代に『彼女の一日』という題名で文集を書きました。
障害の事を1日の生活とともに紹介しました。
※今とは全く違います 笑
~ 彼女の一日 ~
ある女子高生の一日を見てみよう。
今日も朝から彼女はてんてこ舞い。
大変そうな彼女に代わって、一日の様子を紹介してみよう。
朝起きるのは、意外とスムーズな彼女。
だけど…。
おや、早速、難しい顔をしている。
どうやら家族の喋り声で、食事に集中できていない。
スタミナつきませんよ……。
食事が終わったら、制服に着替える。
スカートだから、足が直接空気に触れるのが嫌。
冬はタイツも履きたいのに。
ここまででも聴覚や触覚に過敏があって、色々困っている。
さて、家を出る準備万端……
かと思いきや、忘れ物を思い出したり、探し物をしたりして、
なかなか家から出られない。
今日も時間の概念が分かっていない。
早くしないと遅刻してしまう。
急いで飛び出す。
電車の中は今日も満員、できるだけ他のお客さんと距離を置きたい。
でもこれはちょっと無理だ。
他人との座席の間隔の取り方にも苦労する。
かなり席が空くまでは座らない。
ああ~人の目がかなり気になっている。
やっと席に付いたと思ったら、勉強を始めた彼女。
教科書は拡大してファイリングしてあるから人の目を少しの間気にした様子。
でも大丈夫。
人はそんなに「あなた」のことなんて見てないから。
何度も言い聞かせてるんだけど。
さあ電車から降りて、学校に行くまでの道のりは彼女にとって至福の時。
イヤーマフも外せて、空気もいいし。
でももう疲労は蓄積されている。
大丈夫かな?
学校に着いた。いろんな人と挨拶、大変そう。
この先生はだれかな?
名前も顔も覚えにくい彼女。
高等部に入って、初めて視線を合わせられるようになって、
顔も多少覚えられるようになった。
それまでは、服の系統や体型で覚えていたから、
少しでも違うものを着てると、一日中パニックだった。
人の名前と顔に限らず、色々な事が忘れられなかったり、上手く整理できない。
つまり、頭が消化不良をおこしている。
忘れてもいい事や忘れたい事が忘れられなくて、
頭のUSBメモリーは常にパンク寸前。
そんなこんなで、彼女が挨拶出来るようになったのも、今年度から。
授業が始まっても困ってる。
何?眩しいって。
そうだ、ホワイトボードは便利だけど、白は光を集めるものだから。
目もシパシパしてきたようだ。
また困ったことが起きた。
授業で、それまでの話と全く関係ないことを言われた。
パニックを起こさないといいんだけど。
彼女、予定の変更とか大変だから。
お昼の時間は皆と給食みたい。
あれ、箸が止まった。どうやらお話に夢中。
お話をしながら食べるという同時進行が出来てない。
早く食べないと、一人でゆっくりする時間が無くなるから、
午後に向けての授業の為のリフレッシュが出来ないじゃない。
時には一人で食べたい時もある。
あ、なにかのお肉は怖いんだっけ。
まあ、休日は個食みたいなものだから、怖くないものを食べれば良い。